○警察官の催涙スプレーの使用及び取扱いに関する訓令

平成15年2月4日

本部訓令第2号

警察官の催涙スプレーの使用及び取扱いに関する訓令

(趣旨)

第1条 この訓令は、警察官等の催涙スプレーの使用に関する規則(平成14年国家公安委員会規則第17号。以下「規則」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。

(催涙スプレーの配備)

第2条 催涙スプレーの調達、配備及び廃棄は、警務部警務課長(以下「警務課長」という。)が行うものとする。

2 警務課長は、催涙スプレーを調達又は配備した場合は、催涙スプレー出納簿(様式第1号)に所定の事項を記載しておかなければならない。配備した催涙スプレーが返納された場合及び催涙スプレーを廃棄した場合も、同様とする。

(管理責任者)

第3条 催涙スプレーの配備を受けた所属に催涙スプレー管理責任者(以下「管理責任者」という。)を置く。

2 管理責任者は、課及び学校にあっては次長を、署にあっては署警務課長をもって充てる。

3 管理責任者は、催涙スプレーの管理の責めに任ずるものとする。

4 管理責任者は、催涙スプレーの管理状況を明らかにしておくため、催涙スプレー管理簿(様式第2号)に所定の事項を記載しておかなければならない。

(取扱責任者)

第4条 管理責任者の下に催涙スプレー取扱責任者(以下「取扱責任者」という。)を置く。

2 取扱責任者は、警部補以上の階級にある警察官の中から管理責任者が指定する。

3 取扱責任者は、管理責任者を補佐し、催涙スプレーの保管、貸出し、貸与、返納等に係る事務を処理するとともに、その有効活用及び適正管理について指導を行うものとする。

(催涙スプレーの貸出し及び貸与)

第5条 催涙スプレーは、必要の都度、貸し出すものとする。ただし、次に掲げる警察官には、これを貸与することができる。

(1) 特捜業務に従事する警察官

(2) 機動捜査隊に勤務する警部以下の階級にある警察官

(3) 所外活動に従事する地域警察官及び交通警察官

(4) その他所属長が催涙スプレーを貸与する必要があると認めた警察官

(催涙スプレーを携帯できる場合)

第6条 催涙スプレーは、次に掲げる場合に携帯することができる。

(1) 凶悪な罪の捜査に従事する場合

(2) 凶暴性のある者又は泥酔者の保護に赴く場合

(3) 持凶器事案の発生に伴う緊急配備、検問等に従事する場合

(4) 極左暴力集団等によるテロ、ゲリラ又は内ゲバ事件のよう撃捜査等に従事する場合

(5) 重要防護対象施設の警戒に従事する場合

(6) 警衛又は警護に従事する場合

(7) 暴走族等非行集団の取締りに従事する場合

(8) 機動捜査隊員が犯罪捜査活動に従事する場合

(9) 地域警察官及び交通警察官が所外活動に従事する場合

(10) その他所属長が催涙スプレーを携帯する必要があると認めた場合

(催涙スプレーの携帯方法等)

第7条 警察官は、催涙スプレーを携帯する場合は、原則として次の表の左欄に掲げる被服の種別に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる箇所に収納するものとする。ただし、これにより難い場合は、所属長が指示する方法により携帯するものとする。

種別

収納箇所

制服、活動服、制服用ワイシャツ及び出動服等特殊の被服

右胸部ポケット

ベスト

左胸部ポケット

耐刃防護衣

右腹部ポケット

私服

上着の内側ポケット

2 前項の場合において、警察官は、亡失、盗難等の防止に努めなければならない。

(催涙スプレーを使用する場合の留意事項)

第8条 警察官は、催涙スプレーを使用する場合は、次の事項に留意しなければならない。

(1) 催涙スプレーを使用する場合は、必要以上の噴射を避けるとともに、相手以外の第三者に催涙液が付着しないよう注意すること。

(2) 催涙スプレーを使用する可能性がある場合は、あらかじめ取り出しておくことができるものとするが、この場合の取扱いについては細心の注意を払うこと。

(3) 催涙液が相手に付着した場合は、速やかに、水で洗い流すなどの処置を講じること。

(4) 人が多数集まる場所で催涙スプレーを使用する場合は、特に周囲の状況に配慮して的確な使用に努めること。

(5) 人が多数集まる場所で催涙スプレーを使用した場合は、警察官が職務を遂行するため催涙スプレーを使用したことを速やかに周囲の者に知らせ、避難誘導するなど無用の混乱を避ける措置を講じること。

(催涙スプレーの返納)

第9条 催涙スプレーの貸出しを受けた警察官は、催涙スプレーを携帯する必要がなくなった場合は、速やかに、催涙スプレーを取扱責任者に返納しなければならない。

2 催涙スプレーの貸与を受けた警察官は、所属を異にして異動する場合及び配置換えその他により第5条第1項各号のいずれにも該当しなくなった場合は、速やかに、催涙スプレーを取扱責任者に返納しなければならない。

3 取扱責任者は、催涙スプレーを適正に管理するため必要があると認める場合は、催涙スプレーの貸与を受けた警察官に対し、催涙スプレーの返納を命ずることができる。

(催涙スプレーの保管)

第10条 催涙スプレーを保管する場合は、次に掲げる事項に留意しなければならない。

(1) 直射日光の当たる場所及び自動車の室内等高温となる場所に保管しないこと。

(2) 施錠できる場所において常に良好な状態で保管すること。

(催涙スプレーの取替え等)

第11条 催涙スプレーの貸与を受けた警察官は、催涙液の減少その他の事由により催涙スプレーが使用不能になった場合は、当該催涙スプレーを取扱責任者に返納し、改めて催涙スプレーの貸与を受けることができる。

2 取扱責任者は、使用不能になった催涙スプレーの返納を受けた場合は、使用可能な催涙スプレーと取り替えるよう管理責任者に要請するものとする。

3 管理責任者は、前項の要請があった場合は、催涙スプレーを取り替えるとともに、警務課長から指示があるまでの間、使用不能になった催涙スプレーを使用可能な催涙スプレーと区分して保管しておくものとする。

4 管理責任者は、使用不能になった催涙スプレーを取り替えた場合において、新たな催涙スプレーの配備を受ける必要が生じたときは、警務課長に要求するものとする。

(報告)

第12条 警察官は、催涙スプレーを使用(訓練により使用した場合を除く。以下同じ。)し、亡失し、損傷し、又は奪取された場合等(以下「催涙スプレーを使用した場合等」という。)にあっては、直ちに次に掲げる事項を所属長に報告しなければならない。

(1) 催涙スプレーを使用した場合等に係る警察官の係名、階級及び氏名並びにその日時、場所及び状況

(2) 催涙スプレーを使用した場合の効果

(3) その他参考事項

2 所属長は、前項の報告を受けたときは、催涙スプレー使用等報告書(様式第3号)を作成し、警務課長に報告しなければならない。

3 警務課長は、前項の報告を受けた場合は、その写しを監察官室長に交付するものとする。

4 警務課長は、第2項の報告を受けた場合において、その内容が催涙スプレーの使用により異臭騒ぎが発生するなど特異な事案については、これを本部長に報告しなければならない。

5 催涙スプレーの配備及び催涙スプレーの使用による異臭騒ぎがあった場合等の特異事案の発生に係る警察庁への報告は、警務部警務課において行うものとする。

(訓練)

第13条 催涙スプレーの配備を受けた所属長は、所属の警察官に催涙スプレーの特性を充分に理解させるとともに、適正かつ効果的な活用を図るため、努めて実戦的な訓練の機会を設けるものとする。

この訓令は、平成15年4月1日から施行する。

(平成26年10月2日本部訓令第35号)

この訓令は、平成26年10月2日から施行する。

(令和2年3月18日本部訓令第10号)

この訓令は、令和2年4月1日から施行する。

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警察官の催涙スプレーの使用及び取扱いに関する訓令

平成15年2月4日 本部訓令第2号

(令和2年4月1日施行)