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第11回「空を飛ぶ金属の塊Vol.2」その2

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さてさて、無事に駅に到着、タクシーでホテルへと向いました。ホテルは「ヴィエナ・ヒルトン」、アメリカ資本の巨大ホテルです。しかし多少年月が経っており、あちこち傷んでおりました。(このあと全面改修したとか・・・・)

しばし休息の後、グリンツィングへいざ出発です。途中までUバーンに乗り最寄駅からグリンツィング行きのバスに乗り込みました。ここまでは全部N先生の独壇場でした。なにせウィーン経験者ですから、非常に詳しいのです。我々初心者は、疑問をはさむ余地もなくついていくのが精一杯でした。

バス

坂の途中の停留所で突然「ここで降りるぞ」とN先生バスを降りてしまいました。どこへ連れて行かれるのかと不安でいっぱいの我々もはぐれては国際的迷子になってしまうと、あわてて降車しました。降車後、先生が一言「ここで間違いない。見覚えがあるぞ。」(先生・・・見覚えで降りたんですか?)確かにそこはグリンツィング、ホイリゲ通りのど真ん中でした。

「以前来たときに感じのよかったホイリゲに行こう。」ということで、迷いもせずその店の前へ到着し中へ入ろうとすると目の前に立て看板がたっています。よくよく見ると(ドイツ語なのでよく見ないとわかりません)「本日・・・」と書いてあります。(・・・は意味不明)読解力より想像力を働かせてみようと皆勝手に考えだしました。最初は「本日休業」かと思いましたが、入り口から覗いてみると従業員らしき人たちが何か準備している様子です。

停滞が大嫌いなN先生、「入ったらわかる」と、お店の中へ。すぐにマネージャー(みたいな人)登場です。1〜2分の会話の後、「今日は団体が貸しきっているので、入店できないらしい」とN先生。我々は先生の語学力にあらためて感心した次第です。

さて、では行き当たりばったりで入ろうと、数件となりのホイリゲへ入りました。しかしお客さんの姿はまったくありません。(しまった、人気のない店に入ってしまったか。しかしいまさら出るわけにもいかず、とりあえず座るか)と全員が同じ気持ちで案内された席に座りました。

しかし、この店が大当たりでした。1時間もすると満員で、後からきたお客さんは断っている状態でしたから。

ショーケースから食べ物を注文し、ジョッキに満たされた白ワインで乾杯です。(食べ物は食べきれる量をと思い3人前を注文しましたが5人で半分も食べることができませんでした)

すると楽団の皆さんが登場(バイオリン、アコーデオン、コントラバスの3人組です)、我々を日本人と見るや、あの曲を演奏しながら我々の席に近づいてきました。その曲とは、皆さんもうお分かりですね?そう、坂本九さんの名曲「上を向いて歩こう」を多少音程とリズムをアレンジしながら演奏しているのです。ウィーン風スキヤキとでも言いましょうか、ちょっと別の曲に感じました。

ピアノ

ここでN先生彼らに向って「ノン、ノン」(これはフランス語です)「シュランメル ビッテ!」(これはドイツ語)。彼らは一瞬不思議そうな顔をしました。多分、たいていの日本人はこの状況では、笑顔と拍手をもって迎えるでしょうが、我々の行動が予想に反したからでしょう。先生いわく(日本語ですよ)「今日はシュランメル音楽の勉強に来たんだから、ヨーロッパの曲を聴くぞ」

そうです!!いままで隠していましたが、我々はワインが目的ではなく本場のシュランメル音楽の勉強にホイリゲを訪ねたのでした。ここで本来の目的を思い出した我々は、われ先にと演奏曲のリクエストを始めました。

立て続けに5〜6曲リクエストして大盛り上がり、バイオリンのネックにチップをはさんだり、いっしょに口ずさんだり、指揮してみたり(ただの酔っ払いか?)、シンバルたたいたり(備え付けの小さいやつです)やりたい放題でした。

そのうち店が一杯になると、楽団は「ちょっと他のテーブルにも行ってきま〜す。」と言い残し、去っていきましたがものの5分もしないうちにまたもや登場。どうもリクエストがなかったようで、まるでブーメランのように戻ってきたのでした。

「じゃあ、ウィーンはいつもウィーンで盛り上がるか」ということで、手拍子や簡易パーカッション、合唱?などで盛り上がっていると、隣の席のお客さん(3〜4人連れのお年寄り)がどうもいっしょにシンバルをたたきたい様子。それではと、シンバルやら鈴やら渡してみると、いいかげんなリズムながらかなり楽しそうに打ち鳴らしています。

マラカス

これがお店全体に瞬く間に伝染し、ダンスを踊ったりコントラバスを奪って勝手に演奏したり、大騒ぎとなりました。

我々は大変満足し、しばらくして店を出ましたが、例のお年寄りたちも一緒でした。これからホテルに帰るとのことですが、方向が違うのでそこで別れましたが、「ヤーパン(日本人)?」と聞いてくるので「ヤー、ヤーパン」と答えると、「我々は、ドイツから観光にきた。日本人は友達だ。また会おう。」ということで「アウフ・ビーターゼーエン」と返して帰路についた次第です。(疲れたのでホテルまでタクシーで帰りました。もちろんベンツです。)

明日は、王宮でのサロンコンサートがメインです。その夜は、今回はシングルルームとなったA先生が高級ブランデーを片手に現れないかとドキドキしながら、カギをきっちりとかけて早々に休みました。

以下次号へと続く・・・

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