トップ各署松山南警察署概要署是

松山南署について



松山南署の署是

 伊予国風土記逸文によると、聖徳太子は、恵慈法師および葛城臣を従えて、西暦596年(法興6年)10月、道後に行啓された。そのとき、伊佐爾波の岡に記念の碑を建立されたという。  太子は、碑文で「照給無偏私」、《照(て)らし給(あた)えて偏私(かたよ)ること無(な)かれ》という自然の真理にまつりごとが感応することにより理想社会は実現すると次のように説かれ、所感を述べておられる。

 天に輝く日月はだれ彼の差別なく一様に光を恵む。造化の神の秘力によって地中からわきでる温泉も平等無差別に恩沢を給えている。このような天地の真理に万機の政治が微妙に感応を示すと、人々はまつりごとの恵みに浴して日常生活そのものが生き生きとよろこびに充ちてくる。このように照らしかつ給えて偏私らない自然の真理が人間世界に顕現すること、これこそ理想の国、まぼろしの天寿国のこの世ながらの姿といえるのではないか。しかも、わが眼前の伊予の湯−道後温泉の様相がまさに天寿国なのだ。......

 また、太子は、同所から伊予の連山、道後平野のすぐれて美しい風光を眺望されたという。従って、同じく伊予国風土記逸文に名称の由来を記されている天山および付近のこの地も眼下にされたと思われる。併せて、松山南警察署の開署が碑の建立から1400年の節目に当たる西暦1996年(平成8年)4月1日であることを考えると浅からぬ因縁を感じる。

 そこで、書家村上三島先生(文化功労者、芸術院会員)に「照給無偏私」の揮毫をお願い申し上げたところ快くお受けいただきご寄贈下さったものであり、当署大会議室に掲げ警察活動の心のよりどころにしてきたところである。  私たちは、「照給無偏私」の訓えを松山南警察署の基本準則、署是とし、誠心をもって、平等無差別に恩沢を給えるという自然の真理を理解し、限りなく追及し責務を遂行するものである。(原文による)