○愛媛県薬物の濫用の防止に関する条例

平成26年12月24日

条例第53号

愛媛県薬物の濫用の防止に関する条例を次のように公布する。

愛媛県薬物の濫用の防止に関する条例

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 薬物の濫用の防止に関する基本的施策(第5条―第10条)

第3章 薬物の濫用の防止のための規制(第11条―第18条)

第4章 愛媛県薬物指定審査会(第19条―第25条)

第5章 雑則(第26条)

第6章 罰則(第27条―第31条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、薬物の濫用の防止を図るため、県及び県民の責務を明らかにし、県の施策の基本となる事項を定めるとともに、必要な規制を行うことにより、薬物の濫用による危険から県民の健康及び安全を守り、もって県民が安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「薬物」とは、次に掲げる物をいう。

(1) 大麻取締法(昭和23年法律第124号)第1条に規定する大麻

(2) せい・・剤取締法(昭和26年法律第252号)第2条第1項に規定する覚せい・・剤及び同条第5項に規定する覚せい・・剤原料

(3) 麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)第2条第1号に規定する麻薬、同条第4号に規定する麻薬原料植物及び同条第6号に規定する向精神薬

(4) あへん法(昭和29年法律第71号)第3条第1号に規定するけし、同条第2号に規定するあへん及び同条第3号に規定するけしがら

(5) 毒物及び劇物取締法施行令(昭和30年政令第261号)第32条の2に規定する物

(6) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第15項に規定する指定薬物

(7) 前各号に掲げるもののほか、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用(当該作用の維持又は強化の作用を含む。)を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがあると認められる物

(県の責務)

第3条 県は、薬物の濫用の防止に関する総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 県は、前項の施策の実施に当たっては、国、他の地方公共団体、薬物の濫用の防止を目的とする団体等と連携し、及び協力するものとする。

(県民の責務)

第4条 県民は、薬物の危険性に関する知識と理解を深め、薬物の濫用を防止するとともに、県が実施する薬物の濫用の防止に関する施策に協力するよう努めるものとする。

第2章 薬物の濫用の防止に関する基本的施策

(推進体制の整備)

第5条 県は、薬物の濫用の防止に関する施策を総合的かつ効果的に実施するために必要な推進体制を整備するものとする。

(調査研究)

第6条 県は、薬物の濫用の防止に関する施策を最新の科学的知見に基づき適切に実施するため、薬物に関する調査研究に努めるものとする。

(情報の収集等)

第7条 県は、薬物の濫用による危険から県民の健康及び安全を守るため、薬物に関する情報の収集、整理、分析及び評価を行い、その結果を薬物の濫用の防止に関する施策に反映させるものとする。

(情報の提供)

第8条 県は、薬物の濫用による危険から県民の健康及び安全を守るため、県民に必要な情報を提供するものとする。

(教育及び学習の推進)

第9条 県は、青少年をはじめとする県民が薬物の危険性に関する正確な知識に基づき行動することができるよう、その教育及び学習の推進のために必要な措置を講ずるものとする。

(監視及び指導)

第10条 県は、薬物の流通の態様に応じて、薬物の濫用を防止するための監視及び指導を適切かつ効果的に実施するものとする。

第3章 薬物の濫用の防止のための規制

(指定)

第11条 知事は、第2条第7号の薬物のうち、県の区域内において現に濫用され、又は濫用されるおそれがあると認めるものを指定することができる。

2 知事は、前項の規定による指定(以下「指定」という。)をしようとするときは、あらかじめ、愛媛県薬物指定審査会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要し、あらかじめ愛媛県薬物指定審査会の意見を聴く時間的余裕がないときは、当該手続を経ないで指定をすることができる。

3 前項ただし書の場合においては、知事は、速やかに、その指定に係る事項を愛媛県薬物指定審査会に報告しなければならない。

4 指定は、当該指定をしようとする薬物の名称、指定の理由その他必要な事項を告示することにより行う。

(指定の失効)

第12条 指定は、指定をした薬物(以下「知事指定薬物」という。)が第2条第1号から第6号までに掲げる薬物に該当するに至ったときは、その効力を失うものとする。

2 知事は、前項の規定により指定がその効力を失ったときは、その旨を告示するものとする。

3 第6章の規定は、第1項の規定により指定の効力が失われる前にした行為についても、適用する。

(製造等の禁止)

第13条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として規則で定めるもの(以下「医療等の用途」という。)に供するために第1号若しくは第2号に掲げる行為(使用を除く。)をする場合又は医療等の用途に使用する場合は、この限りでない。

(1) 知事指定薬物を製造し、栽培し、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列すること(県の区域外における販売又は授与の目的で貯蔵し、又は陳列する場合を含む。)。

(2) 知事指定薬物を所持し、購入し、譲り受け、又は使用すること(販売又は授与の目的で貯蔵し、及び陳列する場合を除く。)。

(3) 医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として知事指定薬物を医療等の用途に使用する者を対象として行う場合を除き、知事指定薬物の広告を行うこと。

(立入検査等)

第14条 知事は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、知事指定薬物若しくはその疑いがある物品を貯蔵し、若しくは陳列している者又はこれらの物を製造し、栽培し、販売し、授与し、貯蔵し、若しくは陳列した者(以下「貯蔵者等」という。)に対して、必要な報告をさせ、又はその職員に、貯蔵者等の店舗その他必要な場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、若しくは知事指定薬物若しくはその疑いがある物品を、試験のため必要な最少分量に限り、収去させることができる。

2 公安委員会は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、その警察職員に、貯蔵者等の店舗その他必要な場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

3 前2項の規定により立入検査、質問又は収去をする者は、第1項の職員にあっては規則で、前項の警察職員にあっては公安委員会規則で定めるその身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 第1項及び第2項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(警告)

第15条 知事は、第13条の規定に違反した者に対し、同条の規定に違反する行為をしないよう警告を発することができる。

2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第13条の規定に違反する行為をしたときは、その法人又は人に対して当該行為をさせないよう警告を発することができる。

3 前2項の警告は、規則で定める書面を交付して行うものとする。

(廃棄等)

第16条 知事は、第13条第1号の規定に違反して貯蔵され、若しくは陳列されている知事指定薬物又は同号の規定に違反して製造され、栽培され、販売され、若しくは授与された知事指定薬物について、これらの知事指定薬物を取り扱う者に対して、廃棄、回収その他公衆衛生上の危険の発生を防止するに足りる措置(以下「廃棄等の措置」という。)をとるべきことを命ずることができる。

2 知事は、前項の規定による命令を受けた者がその命令に従わない場合であって、公衆衛生上の危険の発生を防止するため必要があると認めるときは、その職員に、同項に規定する物を廃棄させ、若しくは回収させ、又はその他の必要な処分をさせることができる。

3 前項の規定による廃棄、回収その他の処分をする職員については、第14条第3項の規定を準用する。この場合において、同項中「第1項の職員にあっては規則で、前項の警察職員にあっては公安委員会規則」とあるのは、「規則」と読み替えるものとする。

(緊急時の勧告)

第17条 知事は、第2条第7号の薬物の濫用により現に県民の健康に係る重大な被害が生じ、又は生じるおそれがあると認めるときは、当該薬物について指定をする前に、当該薬物を所持している者又は当該薬物を製造し、栽培し、販売し、授与し、所持し、購入し、譲り受け、使用し、若しくは広告した者に対して、これらの行為を中止し、又は当該薬物について廃棄等の措置をとるべきことを勧告することができる。

2 知事は、前項の規定による勧告をしたときは、当該勧告の内容その他の情報を県民に提供するとともに、国及び他の地方公共団体に通報するものとする。

(販売の自粛の要請等)

第18条 知事は、その名称、使用方法等の表示内容その他の情報からみて、摂取、吸入等の方法により人の身体に使用されるおそれがあると認められる物(医療等の用途に使用される物を除く。)であって、第2条第7号の薬物に該当する疑いがあるもの(以下「薬物類似物」という。)を取り扱っていると認められる者その他の関係者に対して、その職員に、当該薬物類似物が当該薬物に該当するかどうかについて質問させることができる。

2 知事は、前項の規定による質問の結果、第2条第7号の薬物を製造し、栽培し、販売し、授与し、所持し、購入し、譲り受け、使用し、又は広告していたと認められる者に対し、当該薬物の製造、栽培、販売、授与、使用、広告又は販売若しくは授与の目的での陳列の自粛を要請することができる。当該質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、又は虚偽の答弁をした者についても、同様とする。

3 前条第2項の規定は、前項の規定による要請をした場合について準用する。

第4章 愛媛県薬物指定審査会

(設置)

第19条 第11条第2項の規定によりその権限に属させられた事項を処理させるため、愛媛県薬物指定審査会(以下「審査会」という。)を置く。

(組織)

第20条 審査会は、委員5人以内で組織する。

(委員)

第21条 委員は、学識経験のある者及び関係行政機関の職員のうちから、知事が任命する。

2 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、再任されることができる。

4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(会長)

第22条 審査会に会長を置く。

2 会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、審査会を代表し、会務を総理する。

4 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第23条 審査会の会議は、会長が招集し、会長が議長となる。

2 審査会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決することができない。

3 審査会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 審査会の会議は、公開しない。

(庶務)

第24条 審査会の庶務は、保健福祉部において処理する。

(運営細則)

第25条 この章に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、会長が審査会に諮って定める。

第5章 雑則

(規則への委任)

第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 罰則

第27条 第13条第1号の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第28条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(1) 第13条第2号の規定に違反した者

(2) 第16条第1項の規定による命令に違反し、又は同条第2項の規定による廃棄、回収その他の処分を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第29条 第13条第3号の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

第30条 第14条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同項若しくは同条第2項の規定による立入検査若しくは同条第1項の規定による収去を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項若しくは同条第2項の規定による質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者は、20万円以下の罰金に処する。

第31条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第27条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第12条第3項第13条から第16条まで及び第6章の規定は、平成27年4月1日から施行する。

愛媛県薬物の濫用の防止に関する条例

平成26年12月24日 条例第53号

(平成27年4月1日施行)