○「愛媛県警察津波警報伝達要領」の制定について

昭和38年4月23日

例規外第520号警察本部長

各部課長

警察学校長

各警察署長

通信出張所長

四面海に囲まれ、両側面を地震帯が走るわが国は、地震と津波の脅威に常にさらされている。過去においても昭和8年三陸沖地震(東北地方太平洋岸)、昭和21年南海道地震(四国、近畿、中部各地方太平洋岸)、昭和27年十勝沖地震(北海道、東北各地方太平洋岸)、昭和35年チリ地震津波(太平海岸全域)等大きな被害が発生しており、本県においてもチリ地震津波には甚大な被害を受けている。

津波の被害の大小は、警報伝達の適否が決定的に左右する。

津波が来るまでには相当時間がかかる。したがってこの時間を最大限に利用すれば、少なくとも人命の大部分は浪害から守ることができる。このためにも、一刻も早く津波の来襲を一般に周知させる方法が必要である。

したがって、災害対策基本法による市町村防災会議をはじめ、市町村長、水(消)防団等にあらかじめ、津波警報に関する通報および伝達の手段方法を打合せ、計画化しておくとともに、市町村長に協力して平素から住民に対して警報の判別および避難先とその経路ならびに船舶または貯木場の管理者等の必要な処置につき指導啓蒙を行い、警報が伝達された場合迅速、的確な防災処置が行なえるよう処置しておくことが必要である。

よって、本県においても津波警報の迅速的確な伝達を期するため、別添のとおり、「愛媛県警察津波警報伝達要領」を制定したから、部下職員に周知徹底をはかり、警報伝達について遺憾のないようされたい。

昭和32年1月9日付ら発第8号「津波警報の伝達について」は、廃止する。

なお、関係各課、署以外においては、執務の参考とされたい。

別添

愛媛県警察津波警報伝達要領

(目的)

1 この要領は、中国四国管区警察局四国警察支局から愛媛県警察本部に伝達される津波特別警報、津波警報及び津波注意報(以下「警報」という。)の受信と関係各警察署への伝達取扱いについて定めることを目的とする。

(一般的留意事項)

2 警報の伝達は、寸刻を争い、重大な責任を伴うものであるから、平素より万全の準備を整え、教養、訓練の徹底を期するものとする。

3 警報の伝達を受けたときは、総力をあげて迅速、かつ正確にその伝達を実施するとともに、災害警備態勢を整備するものとする。

4 警報の伝達に際しては、責任の所在を明確にするため、必ず双方の職氏名および発受信の時刻を記録するものとする。

5 警報は、重要地域から優先して伝達するものとする。

6 一斉指令通話を用いて警報を伝達する場合には、全部が応答するのを待って通話を開始することなく、応答したものから逐次伝達していくものとする。

(予報の種類等)

7 中国四国管区警察局四国警察支局から伝達される予報の種類、津波予報区、区域及び内容は、次のとおりであるので、正確に受信し、的確な伝達措置を講じること。

(1) 予報の種類

津波特別警報、津波警報及び津波注意報

(2) 津波予報区及び区域

津波予報区

区域

愛媛県瀬戸内海沿岸

愛媛県(瀬戸内海沿岸に限る。)

愛媛県宇和海沿岸

愛媛県(瀬戸内海沿岸を除く。)

(3) 予報略文、発表基準及び発表される津波の高さ

別表のとおり。

(愛媛県警察本部の受信及び伝達責任者)

8 愛媛県警察本部の受信及び伝達責任者は、官執勤務時間内にあっては警備課災害対策担当課長補佐とし、官執勤務時間外にあっては当直司令とする。ただし、中国四国管区警察局四国警察支局愛媛県情報通信部機動通信課長が受信したときは、直ちにその内容を愛媛県警察本部の受信及び伝達責任者に連絡しなければならない。

(警察署の受信及び伝達責任者)

9 警察署の受信責任者は、官執勤務時間内にあっては警備担当課長とし、官執勤務時間外にあっては宿直責任者又は当番責任者とする。

10 警察署から関係交番、駐在所その他主たる関係機関に対する伝達責任者は警察署長とする。

(県本部の伝達要領)

11 災害対策担当課長補佐又は当直司令が警報を受信したときは、警備課次長に速報するとともに、関係警察署長に速やかに伝達すること。

12 各警察署長に対する警報の伝達は、一斉指令通話ならびに無線(無線固定(基地)局およびリモコン局ならびに無線移動局)によるものとする。

13 警報の受信及び伝達は、津波警報受信・伝達用紙(別記様式)により行うものとする。

(警察署の伝達要領)

14 関係警察署長が責任をもって警報を伝達する対象は、気象業務法第15条第2項の規定により原則として関係市町長のみとする。ただし、その他の機関で、災害警備上伝達の必要があると認められるものについては、実情に応じて警察署長が指定するものとする。

15 関係市町長に対する警報の伝達については、電話、FAX等その手段を問わないが、伝達時間、伝達者及び被伝達者(伝達手段の途絶、市町庁舎の倒壊等により伝達できなかった場合は、その理由)を確実に記録しておくものとする。

16 関係警察署長は、市町長その他前項により特に指定するものに対する警報の伝達要領等については、この要領に準ずるほか、おおむね次の事項に留意のうえ細部計画を策定するものとする。

(1) 伝達すべき個々の対象名とそれに対する伝達担当者。(ただし、関係市町長に対する伝達は、署所在地にあるものについては本署から直接、その他については交番、駐在所を通じて伝達することを原則とする。)

(2) 伝達の優先順位

(3) 伝達終了後の交番、駐在所員等のとるべき具体的処置

(4) 一般住民に対する警報の徹底について

(5) 関係機関との協力処置の要領

(6) その他

(伝達訓練)

17 この要領による伝達訓練を年1回以上実施し、関係機関相互の周知徹底をはかるものとする。

別表

予報略文、発表基準及び発表される津波の高さ

種別

予報略文

発表基準

発表される津波の高さ

数値での発表(津波の予想高さの区分)

巨大地震(マグニチュードが8を超えるものをいう。)の場合の発表

津波特別警報

大津波

予想される津波の高さが高いところで3mを超える場合

10m超(10m<予想高さ)

巨大

10m(5m<予想高さ≦10m)

5m(3m<予想高さ≦5m)

津波警報

津波

予想される津波の高さが高いところで1mを超え、3m以下の場合

3m

高い

津波注意報

津波注意

予想される津波の高さが高いところで0.2m以上、1m以下の場合であって、津波による災害のおそれがある場合

1m

(表記しない。)

画像画像

「愛媛県警察津波警報伝達要領」の制定について

昭和38年4月23日 例規外第520号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第7編 備/第2章
沿革情報
昭和38年4月23日 例規外第520号
昭和52年1月 例規備第107号
平成元年3月 例規情管第14号
平成4年9月 例規警第30号
平成6年10月 例規警第38号
平成12年11月 例規備第52号
平成14年3月 例規警第16号
平成16年4月 例規警第22号
平成17年4月 例規警第11号
平成20年4月 例規備第169号
平成25年12月 例規備第337号
平成31年4月1日 例規警第483号