○銃砲刀剣類所持者に関する申出制度の適正な実施について

平成21年12月4日

例規生環第810号本部長

HP概要掲載

各所属長

銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律(平成20年法律第86号)により新設された銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号。以下「法」という。)第29条に規定するみだし申出制度については、平成21年12月4日から下記によることとしたので、事務処理上誤りのないようにされたい。

なお、公安委員会に対する申出制度に関する実施要領について(平成21年5月27日付け通達生環第238号)は、廃止する。

1 趣旨及び内容

付近住民等の不安感の解消を図るとともに、不適格者に関する情報を早期に把握し、銃砲刀剣類による危害を防止するため、何人も、付近に居住する者等で銃砲刀剣類を所持するものが、その言動等から当該銃砲刀剣類により人の生命、身体等を害するおそれがあると認めるときは、公安委員会に対し、その旨を申し出ることができることとされた。

2 解釈

(1) 法第29条第1項の「同居する者」とは、同一の住居で日常生活を共にしている者で親族には限られないが、「同居」とは、法第5条第5項の「同居の親族」と同じ概念である。具体的には、同一の家屋であっても、中が壁等で仕切られており、家計、炊事等を一切別個にしていて全くの別世帯とみなされるものは、同居とは認められないが、家計は別でも食事、入浴等は共にしているなど、共同生活の実態がある場合には、同居と認められると考えられる。

(2) 法第29条第1項の「付近に居住する者」とは、申出対象者の近くに居住する者をいい、その範囲は、社会通念により判断される。

(3) 法第29条第1項の「勤務先が同じである者」とは、通常勤務している場所が同じである者をいう。ただし、申出制度の趣旨が自らの「身近」に銃砲刀剣類所持者がいることに係る不安感の解消等にあることにかんがみれば、例えば、同一の建物内にある別会社に勤務している場合又は同一の会社法人であるが支店が異なる場合は、「勤務先が同じ」には当たらないと考えられる。

(4) 法第29条第1項の「他人の生命、身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し、又は自殺をするおそれがあると思料する」とは、銃砲又は刀剣類を所持させることが他人の生命、身体若しくは財産若しくは公共の安全に対する脅威を与えること又は自殺のおそれがあると思料する事情があれば足り、欠格事由に該当することについて、客観的及び合理的な根拠があることを必要とする趣旨ではない。

(5) 申出は、許可を受けて銃砲刀剣類を所持する者に係るものに限られず、例えば、指定射撃場の設置者又は管理者等許可を受けずに銃砲刀剣類を所持する者に係るものも含まれ得る。

(6) 申出とは、進んで言って出る行為を意味することから、例えば、警察が調査をした際に聴取した不適格者に関する情報のすべてが法第29条の規定による申出に該当するわけではない。調査の際に聴取した情報については、情報が提供された際の経緯に着目し、積極的に情報が提供された場合には、その他の要件を満たせば申出に該当すると認められる。また、そうでない場合でも、住民から申出として処理してほしいとの意思があるか否かにより、判断することとする。

3 警察相談及び苦情の申出との関係

銃砲刀剣類を所持する者に関し、警察に対して提供される情報は、必ずしも法第29条の規定による申出である旨を明示した形で警察に寄せられるわけではなく、警察相談又は警察法(昭和29年法律第162号)第79条第1項の苦情の申出の形でなされることも想定される。そこで、これらの相談及び苦情の申出への対応に際しては、提供された情報の内容を実質的に判断し、法第29条第1項の規定による申出に該当するものであれば、同条の規定に基づき、適切に処理すること。

4 申出の方法

(1) 法第29条の規定に基づき、文書により申し出ようとする者には、次に掲げる事項を記載した申出書を提出させること。

ア 申出人の氏名、電話番号及び住所又は勤務先

イ 申出対象者の氏名等、人定に関する事項

ウ 申出の趣旨

エ その他参考となる事項

(2) 口頭による申出を受け付ける場合には、前号に掲げる事項を聴取するよう努めること。

(3) その他、全体の内容から判断して法第29条第1項の規定による申出に該当すると認められるものであれば、電子メール、ファクシミリその他適当な方法によるものについても受け付けること。

5 申出の受付

法第29条第1項の規定による申出に該当すると認められるものについては、原則として複数の職員により、次のとおり受け付け、申出受付書(様式1)を作成すること。

(1) 警察本部に申出があった場合は、生活環境課の担当者が受け付けること。ただし、官執勤務時間外にあっては、当直勤務員が受け付け、迅速に処理する必要があると認められるものについては、直ちに生活環境課長等に報告し、指示を受けて適当な措置を執ること。

(2) 署(交番、派出所及び駐在所を除く。)に申出があった場合は、生活安全担当課の担当者が受け付けること。ただし、官執勤務時間外にあっては、宿直勤務員又は当番勤務員が受け付け、迅速に処理する必要があると認められるものについては、直ちに生活安全担当課長等に報告し、指示を受けて適当な措置を執ること。

(3) 交番、派出所又は駐在所に申出があった場合は、当該交番等の勤務員が受け付け、直ちに生活安全担当課長等に報告し、指示を受けて適当な措置を執ること。

6 関係書類の送付及び保管

(1) 生活環境課長は、警察本部において受け付けた申出について、次に掲げる書類を関係署長に送付すること。

ア 申出受付書の写し

イ 申出に際して提出された文書の写し

ウ 当該申出の処理に必要な記録その他の文書の写し

(2) 署長は、署において受け付けた申出について、申出受理票(様式2)を作成するとともに、次に掲げる書類を生活環境課長に送付すること。

なお、迅速に処理する必要があると認められる事項については、事前に生活環境課長に速報すること。

ア 申出受理票の写し

イ 申出受付書の原本

ウ 申出に際して提出された文書の写し

エ 当該申出の処理に必要な記録その他の文書の写し

(3) 申出受付書、申出受理票その他の関係書類は、申出受理票索引(様式3)とともに保管すること。

7 公安委員会への報告

(1) 生活環境課長は、警察本部又は署において受け付けた申出のすべてを整理し、速やかに公安委員会に報告すること。この場合においては、必要に応じて、事前に関係署への連絡、照会及び調査その他所要の措置を執ること。

(2) 生活環境課長は、申出の処理について公安委員会を補佐するため、必要な調査及びその結果を踏まえた適当な措置を行うとともに、それらの結果を公安委員会に報告すること。

8 本部長の調査及び措置

(1) 本部長は、必要に応じて、次に掲げる調査を行うこと。

ア 申出人から詳細な内容等を聴取すること。

イ 申出対象者が自殺をするおそれがある場合に、必要に応じて、本人に病院への通院の有無等を報告させること。(法第12条の3関係)

ウ 申出対象者の粗暴な言動が問題となっている場合に、近隣住民(必要に応じて家族を含む。)から平素の振る舞いについて聞き取り調査を行うこと。(法第13条の2関係)

エ 申出対象者がアルコール中毒者の疑いがある場合に、病院への照会を行うこと。(法第13条の2関係)

(2) 本部長は、前号に掲げる調査の結果を踏まえ、必要に応じて、次に掲げる措置を執ること。

ア 実包等を保管委託するよう行政指導を行うこと。

イ 許可に条件を付すこと。(法第4条第2項関係)

ウ 立入検査を行うこと。(法第10条の6第2項関係)

エ 危害予防上必要な措置を執るよう指示すること。(法第10条の9関係)

オ 許可を取り消すこと。(法第11条関係)

カ 銃砲刀剣類の提出を命じ、これを保管すること。(法第13条の3第1項関係)

9 処理結果の通知

公安委員会からの申出人に対する回答は義務付けられていないが、申出人に対して調査の結果を通知することが適当な場合もあり得るため、個別具体的な事例に即し、申出対象者、調査に協力した者等の信用、名誉、プライバシー等への配慮の必要性、通知した場合の影響等を総合的に勘案し、生活環境課と関係署において協議の上、適切に実施すること。

10 他の都道府県公安委員会が管轄する申出対象者に関する申出の取扱い

他の都道府県公安委員会が管轄する申出対象者に関する申出があった場合は、受付をせず、申出人に対して改めて当該公安委員会に申し出るよう教示するとともに、署長はその旨を生活環境課長に連絡し、同課長はその旨を当該公安委員会に連絡する手続を行うこと。

11 申出に係る情報の取扱い

申出を行った事実が申出対象者等に知られ、新たなトラブルが発生することがないよう、申出人の氏名その他その特定に資する事項に係る情報の取扱いには慎重を期すこと。

12 法第29条の規定による申出に該当しない不適格者情報の処理

次のいずれかに該当する情報その他の法第29条の規定による申出に該当しない不適格者情報を受けた場合は、誠実に処理するとともに、生活環境課に連絡すること。

(1) 対象者が「同居する者若しくは付近に居住する者又は勤務先が同じである者で銃砲刀剣類を所持するもの」に当たらない場合

(2) 匿名のために申出の要件に該当するかが判断できない場合

(3) 本部長あての場合

13 関係職員に対する教養

生活環境課長及び署長は、法第29条に規定する申出制度の趣旨、内容等について、交番、派出所及び駐在所の勤務員その他の関係職員に対し、必要な教養を行うこと。

14 広報活動

生活環境課長及び署長は、法第29条に規定する申出制度の実効性を高めるため、積極的な広報活動を行い、申出制度の存在及び方法の国民への周知徹底を図ること。

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銃砲刀剣類所持者に関する申出制度の適正な実施について

平成21年12月4日 例規生環第810号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第4編 生活安全/第5章 生活環境/第2節 保安・風俗・営業
沿革情報
平成21年12月4日 例規生環第810号
平成26年3月24日 例規生環第303号
平成26年8月15日 例規生企第1095号
平成28年3月30日 例規広県第108号