○質屋等ほう賞制実施について

昭和37年10月25日

例規防保第1329号警察本部長

各部課長

警察学校長

各警察署長

生活安全についてはもちろん、捜査の合理化、適正化を推進し、捜査能率の向上をはかるためには公衆の協力を必要とするが、特に質屋等は、その業態からして捜査面に最も関係が深いので、これら業者の協力体制の確立が強く要望されるところである。

ところが、従来から往々にして、質屋等は、警察に協力することによって自ら損害を受ける場合が多いので、積極的な協力は得られない実情である。

このような障害を排除して協力体制を確立するため別添「愛媛県質屋等ほう賞制運営要綱」を制定し、きたる11月1日から実施することとするから、下記事項に留意して適切な運営をはかり成果をあげるよう配意せられたい。

1 制定の趣旨

窃盗犯などぞう品に関係のある事件の捜査については、証拠の確保、犯人の検挙、被害品の早期発見等に関連して、ぞう品捜査はきわめて重要な分野をしめている。

このぞう品は、質屋等に処分される率がきわめて高いので、これらの業者が利害を超越して確認および申告義務を確実に履行すれば、その協力によって相当数の事件を解決し得るが、損害を伴う場合が多いため、協力はきわめて消極的である。

このほう賞制は、協力したことにより損害を受けた者に対しほう賞し、協力意欲をもりたて協力体制を確立し、捜査の合理的能率化と被害品の早期回復をはかり、被害者を保護するために制定したものである。

2 適用範囲

ほう賞は、愛媛県質屋組合連合会、愛媛県自転車商協同組合、および軽自動車防犯協会に加入している業者を対象とすることとしているが、質屋については、連合会には加入していてもこの制度に賛同しない者もあるので、具体的運用については、分担金を納付した者が対象となる。

3 ほう賞基準

協力の態様も一様でないので、ほう賞基準表のとおり1級から3級までに区分し、協力の度合によって意欲をもりたてるようにしたもので、たとえ損害を受けても、協力の伴わない事案に対してはほう賞しないこととしている。たとえば、被疑者の自供によって入質したことがわかり、警察官の調査によって発見されたような場合には、いくら損害を受けても対象から除外している。

協力について一般的に考えられるのは警察官署への申告であるが、直ちに申告するか、時期はおくれたが申告をした場合はほう賞基準による協力になるので、「待たせ」または「尾行」等の高度の協力が望ましいけれども、この方法は種々問題もありなかなか容易でないので、とにかく早期申告の活発化を望んでいる。

警察官署への申告であるが、申告の態様は電話による申告、警察署等へ出頭して口頭による申告、警ら中の警察官に対する申告等が代表的なものであるが、たとえば平素親交のある捜査員と業者が日常の会話中捜査の端緒を得、盗品を当該業者が取り扱っていることが判明して積極的に提出したような場合は、悪意で申告義務を怠っていたと認められないので、ここにいう申告に含めて運用することが妥当であると考えられる。

とにかく、この取扱いについては、業者の善意の意思表示が認められるかどうかについて調査し、適正な運用に配意するとともに業者に十分その趣旨を周知徹底をさせること。

ただ慎重にかつ十分な調査を行なわず運用を誤れば、法令違反またはぞう物罪を助長するおそれがあるから留意すること。

4 ほう賞事案の取扱い

(1) 加入業者等からほう賞申告があったとき又はほう賞事案を認知したときは、その実情を調査した上署長に報告すること。

(2) 加入業者等から申告のあった事案がほう賞に該当しないと認めたときは、その旨を申告者に伝え納得させること。

(3) ほう賞事案については、ほう賞手続きを怠ったり、著しく失期することのないようでき得る限り速やかに処理すること。

(4) ほう賞事案は、原則として協力を受けた警察署において上申することとし、協力者が他署管内居住者であっても、協力を受けた警察署で上申手続きをすること。ただし、他府県の警察に協力したことにより損害を受けた事案については、協力者を管轄する警察署において取り扱うこと。

(5) パトカー乗務員等が申告を受け、又は認知したときは、最寄りの警察署に引き継ぎ、引継ぎを受けた警察署においてほう賞事案報告書(上申)の手続きをすること。

(6) 協力の度合がきわめて高く、愛媛県警察表彰取扱規程(昭和35年本部訓令第27号)により表彰上申の必要があると認められる事案については、ほう賞上申と合わせて行うこと。

(7) ほう賞金は、各地区組合長を通じ被ほう賞者に交付し、領収書を徴し生活環境課に送付すること。

(8) ほう賞事案報告(上申)に当っては、捜査担当係幹部と密接な連絡をとり、事案の真相を究明し、公正を期すること。

5 ほう賞に該当しない協力状況の実態は握

ほう賞基準には該当しないが

(1) 関係法令に基づいて相手方の住所、氏名、職業および年令を確認している。

(2) 帳簿に所定の事項を正確に記入している。

(3) 初取引については、名下指印を採取している。

(4) 自転車または軽自動車については、防犯登録票を添えて受取っている。

(5) 不正品の疑いがある場合の警察官に対する申告義務その他法令に違反する行為がない。

等その取引きが善意無過失と認められる場合は、立入調査または被疑者の自供などにより被害品を発見したときでも、被害品の回復に積極的に協力したような場合は、将来この制度の適正な運用を期する参考資料とするため、その状況を別紙様式により報告すること。

6 ほう賞制についての教養および指導

(1) ほう賞制度の趣旨および処理要領等については、全署員に教養の徹底をはかることはもちろん、業者に対しても、もれなく周知徹底をはかること。

(2) 未加入業者または新規に許可を受ける者に対しては、この制度の組織に加入するようしようようすること。

(3) この制度の活用によって、いわゆる協議返還は一応解消されることとなるが、ほう賞を受け、さらに協議返還のため被害者に負担をかける業者のないよう指導すること。

(4) ほう賞金は、協力の度合、損害額の程度などによって差異があり、損害額の全額補填はできない場合があるので、ほう賞額をこえる損害についての当事者双方の権利関係協議返還等については、介入しないようにすること。

(5) 業者に対しては、不正品の疑いある場合の申告を励行するよう機会あるごとに指導し、その気運を高めるとともに、一方警察署においては、部内体制を整え申告に対して適正な処理を行ない、いやしくも業者の申告を受けたがなんらこれに対し手を打たなかったというようなことがないよう教養の徹底をはかること。

7 ほう賞制実施後の取締

ほう賞制は、あくまでも良心的に協力した善良な業者の損害をほう賞するものであるから、この制度を悪用して不法利得をねらったり、法令またはぞう物罪を犯すような悪質業者に対しては、徹底した取締りを実施すること。

別添

愛媛県質屋等ほう賞制運営要綱

〔沿革〕 昭和40年8月15日、42年5月17日、47年4月1日、48年4月1日、50年12月17日、52年8月3日、63年4月警第11号、平成元年3月情管第14号、4年3月警第17号、6年10月第38号、14年2月生企第5号、12月総第58号、23年3月警第437号、26年8月生企第1095号改正

(目的)

第1 この要綱は、強窃盗(遺失物横領を含む。)事件を早期に解決し、あわせて被害品のじん速な回復をはかって、被害者を保護するため、警察官に犯罪捜査の端緒を提供し、または犯人の検挙および被害品の回復に協力した質屋等に、ほう賞を行なうために必要な事項を定めることを目的とする。

(ほう賞範囲)

第2 ほう賞は、愛媛県質屋組合連合会、愛媛県自転車商協同組合および軽自動車防犯協会に加入している業者(以下「業者」という。)を対象に行なうものとする。

(ほう賞基準)

第3 ほう賞は、別表のほう賞基準表により行なうものとする。

(ほう賞者)

第4 ほう賞は、愛媛県警察本部長(以下「本部長」という。)が行なう。

(ほう賞審査委員会)

第5 本部長の諮問に応じ、ほう賞の適正を期するため、愛媛県警察本部に愛媛県ほう賞審査委員会(以下「審査委員会」という。)を置く。

2 審査委員会の組織及び運営は、次のとおりとする。

(1) 審査委員会は、委員長及び委員若干名をもって組織する。

(2) 委員長は、生活安全部長の職にある者をもって充てる。

(3) 委員は、警務部監察官室長、生活環境課長及び捜査第一課長並びに愛媛県質屋組合連合会、愛媛県自転車商協同組合及び軽自動車防犯協会の代表者をもって充てる。

(4) 審査委員会は、ほう賞事案について、ほう賞の要否、ほう賞区分及びほう賞金額の審査に当たるものとする。

(5) 審査委員会は、委員長が必要と認めたとき随時開催する。

(6) 審査委員会における審査の認定は、出席委員の過半数をもって行い、可否同数のときは、委員長が行う。

(7) この項に定めるもののほか、審査委員会の運営等について必要な事項は、審査委員会が定める。

(審査委員会の答申)

第6 委員長は、審査委員会の審査状況および審査委員会の運営等について必要な事項を定めたときは、そのつど、本部長に報告しなければならない。

(ほう賞財源)

第7 ほう賞制度に必要な財源は、県費および業者の分担金をもってあて、その比率は県費75%、業者25%とする。

(ほう賞事案の上申)

第8 警察署長(以下「署長」という。)は、ほう賞に該当する事案のあったときは、その事案の調査を行ない、別記様式第1号のほう賞事案報告書により、すみやかに本部長に報告しなければならない。

(ほう賞金の決定および交付)

第9 本部長は委員長の報告に基づいて、ほう賞金額を決定し、別記様式第2号のほう賞金決定通知書に、別記様式第3号のほう賞金交付書と、ほう賞金をそえて署長に送付するものとする。

2 署長は、ほう賞金交付書およびほう賞金の送付を受けたときは、これを被ほう賞者に交付して、別記様式第4号のほう賞金領収証を徴して、本部長に送付するものとする。

(ほう賞事務の担当)

第10 この要綱によるほう賞の事務は、生活環境課において取り扱い、関係記録を保管するものとする。

附 則

この要綱は、昭和37年11月1日から施行する。

附 則

この要綱は、昭和40年8月15日から施行する。

附 則

この要綱は、昭和42年5月17日から施行する。

附 則

この要綱は、昭和47年4月1日から施行する。

附 則

この要綱は、昭和48年4月1日から審査するものに適用する。

附 則

この要綱は、昭和50年12月12日から審査するものに適用する。

附 則

この要綱は、昭和52年4月1日から審査するものに適用する。

別表

ほう賞基準表

ほう賞区分

ほう賞金額

(損害額に対する100分比)

ほう賞基準

1級

100%

質受けまたは買受けの際

1 不正品の疑があったので相手方を待たせあるいは尾行して、

2 品触れまたは警察官の依頼に応じ、あるいは自から不正品の疑いがあることを知り、

直ちに、警察官に連絡して、犯人の検挙若しくは被害品の回復に積極的に協力したため損害を受けたもの。

2級

80%

質受けまたは買受け後、新聞、ラジオ等により、不正品の疑いがあるので、警察官に連絡して捜査の端緒を提供し、犯人の検挙若しくは被害品の回復に協力したため損害を受けたもの。

3級

60%

質受けまたは買受けていた物品が、品触れまたは警察官から依頼を受けていたものであることを知り、警察官に連絡して、捜査の端緒を提供し、犯人の検挙若しくは被害品の回復に協力したため損害を受けたもの。

1 ほう賞金額の最高額は、50,000円とする。

2 ほう賞金額は、特別の場合は、審査委員会の決定で、増減をすることができる。

3 この基準によって、ほう賞を受ける者であっても、特に功労が顕著で、愛媛県警察表彰規程の対象となるものは、同規程によって表彰を受けることができる。

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質屋等ほう賞制実施について

昭和37年10月25日 例規防保第1329号

(平成26年9月1日施行)

体系情報
第4編 生活安全/第5章 生活環境/第2節 保安・風俗・営業
沿革情報
昭和37年10月25日 例規防保第1329号
平成元年3月 例規情管第14号
平成6年10月 例規警第38号
平成14年12月 例規総第58号
平成15年3月 例規警第12号
平成22年3月 例規警第400号
平成23年3月 例規警第437号
平成26年8月15日 例規生企第1095号