○女性・子供を守る施策の実施について

平成12年1月28日

例規生企第3号本部長

各所属長

女性・子どもを守る施策実施要綱の制定について(平成11年12月16日付け警察庁乙生発第16号、乙官発第39号、乙刑発第13号)が制定されたことに伴い、女性・子供を犯罪等の被害から守るため、平成12年1月29日から下記の施策を実施することとしたので、効果的な運用に努められたい。

1 ボランティア、自治体等との連携による施策の推進

警察官は、女性・子供の生命、身体及び財産を守るため、女性・子供が被害者となる事案の発生するおそれのある場所におけるパトロールの強化等の活動を行うのみならず、次によりボランティア、自治体等と連携した女性・子供に対する犯罪の未然防止対策に取り組まなければならない。

(1) 女性・子供に対する防犯指導の実施等

ア 女性・子供を対象とした地域安全情報の提供

地域住民に対し、地域における性犯罪、ひったくり、子供に対する声掛け事案等女性・子供が被害者となる事案の発生場所、時間帯、犯罪手口等の情報(以下「地域安全情報」という。)を地域安全ニュース、所管区広報紙等により提供すること。

イ 女性・子供を対象とした防犯指導の実施、防犯機器の貸与等

女性・子供が被害に遭うおそれがある場面を想定し、その際における具体的対応方法や防犯ブザー、ホイッスル等防犯機器の活用方法、「まもるくんの家」等緊急避難場所の利用方法、護身術等にかかる講習会の開催等に努めること。また、防犯ブザーの無料貸出し制度の効果的運用に努めるほか、地区防犯協会等に働き掛け、ホイッスル、懐中電灯等の防犯機器の整備販売、貸与等新規事業の実施を促進させること。

(2) 自主防犯活動への支援

ア 自主防犯パトロール活動に対する支援

防犯ボランティアによる自主的なパトロール活動に対し、地域安全情報の提供を含め、適切な指導助言を行うとともに、必要に応じて、民警合同パトロールを実施するなど、積極的な支援活動を行うこと。

イ 「まもるくんの家」等の緊急避難場所に対する支援

「まもるくんの家」等の緊急避難場所に対して、保護の要領、警察への通報等に関するマニュアルの作成配布、地域安全情報の提供等積極的な支援を行うこと。

ウ 子供発見ネットワークの構築

既設のFネットやはいかい老人SOSネットワーク等を効果的に活用し、子供が行方不明になった場合に捜索、発見活動を行う「子供発見ネットワーク」を構築すること。

なお、その運用に当たっては、捜査部門と連携し、事件性を考慮の上、慎重に行うこと。

(3) 安全・安心まちづくりの推進

自治体や防犯ボランティア等関係機関・団体と連携して、防犯灯の増設や防犯カメラの設置促進等、管内の犯罪多発地域・危険個所等の解消を図るなど、安全・安心まちづくりの推進に努めること。

2 被害に遭った女性・子供への支援等

職員は、次により被害に遭った女性・子供への支援に取り組まなければならない。

(1) つきまとい事案及び夫から妻への暴力事案に対する取組

ア 刑罰法令に抵触する事案については、被害女性の意思を踏まえ、検挙その他適切な措置を講ずること。

イ 刑罰法令に抵触しない事案についても、必要に応じて、防犯指導、自治体の関係部局、弁護士等の他機関への紹介等の方法により、適切な自衛対応策を教示するとともに、相手方に指導警告するなどして、被害女性への支援を行うこと。

ウ 事案の内容や被害者の要望等を勘案し、必要に応じて婦人警察官を担当者に指定するなど、被害女性からの相談等に対し、適切な対応に努めること。

(2) 被害女性の精神的被害の回復への支援

相談に係る事案につき検挙、指導警告等が実施された後であっても、被害女性が不安を訴えるなどの場合には、既に構築されている被害者支援ネットワーク等を通じた関係機関・団体等との連絡等により、継続的に被害女性への精神的被害の回復への支援を実施すること。

(3) 児童虐待に対する取組みの強化

ア 各種活動を通じて、児童虐待事案の早期発見に努めるとともに、関係部門と密接に連携して、組織としての認知情報の集約に努めること。

イ 認知事案については、児童相談所への通告を行うほか、児童相談所等関係機関・団体と連携を図りながら、少年サポートセンターが中心となって被害児童の適切な保護に努めること。

ウ 刑事事件として取り扱うべき事案については、適切に検挙措置を講ずること。

(4) 被害少年の保護

ア 少年の福祉を害する犯罪に対しては、児童買春・児童ポルノ法、児童福祉法(昭和22年法律第164号)、刑法(明治40年法律第45号)等を適用し、厳正に対処すること。

イ 被害少年からの事情聴取に当たっては、事件の態様、被害少年の身体的及び精神的被害の状況等を勘案して、適任者に担当させること。

ウ 被害少年に対しては、必要に応じ、少年の心理、生理その他の特性に関する知識や少年の取扱いに関する技術を有する少年補導職員等によるカウンセリング等の継続的支援を実施すること。

(5) 犯罪の被害に遭った女性・子供の支援

被害者への情報の提供、被害者の精神的被害の回復への支援等の被害者支援の一層の推進に努めること。

女性・子供を守る施策の実施について

平成12年1月28日 例規生企第3号

(平成12年1月29日施行)

体系情報
第4編 生活安全/第1章 生活安全企画/第1節 生活安全企画
沿革情報
平成12年1月28日 例規生企第3号